さて、前回「ビースターズ」12巻で一人暮らしを始めたレゴシ。
今巻ではご近所さんとの交流を深め、多様な価値観に触れています。
また、自分の本性を自覚して、前巻までの鬱々とした悩みからも解放されました。
アパートでの生活は同じ住民のサグワンさんとの出会いがレゴシの迷いを吹っ切ります。
レゴシを助けたサグワンの死生観は仏教的?
さて、13巻のネタバレ、まとめていきましょう!
ビースターズ第107話「三白眼に継がれし痴話」
チンピラどもを蹴散らしたゴーシャとレゴシは、ベンチで休憩します。
初めて見る缶ビールを飲む祖父の姿に、元傭兵の”コモドオオトカゲのゴーシャ”を感じるレゴシは、深刻な表情で今まで祖父のことを何も知らなかったと言います。
ただの”おじいちゃん”でいることが幸せだと返すゴーシャは、ヤフヤとレゴシが出会ったらどうなるだろうと夢見ますが、自分の過去のいざこざには巻き込まないと決め込みます。
ゆくゆくは普通にメスオオカミと恋に落ちて欲しいと幸せな空想に浸っているところに、レゴシは「ウサギの女の子に片想いしている」と爆弾を落としました。
別れ際になんて暴露をしてくる!と動揺するゴーシャをよそに、もっと頑張ろうとうきうきしているレゴシは、帰り道に隣人のセブンを見かけて荷物を持ってあげます。
楽しそうにしている2匹の後ろにはハルがいます。
ジャックに渡されたレゴシの住所を書いた紙を握りしめ、不安な表情を浮かべるのでした。
ビースターズ第108話「ご近所カリビアン」
うどん屋で接客中のレゴシは、種族毎に違う接客に混乱していました。
そんなレゴシに店長は海洋生物への出前を命じます。
商品を持ってきたものの言葉が通じず、困っているところをアザラシが助けてくれました。
ゴマフアザラシの「サグワン」は同じアパートの住人なのでした。
ビースターズ第109話「酸素うすき逢瀬 人魚と」
レゴシはサグワンと待ち合わせて、一緒に帰ることにしました。
電柱に激突したサグワンを心配するレゴシは、海洋生物の死生観を教わります。
海洋生物は輪廻転生を強く信仰しており、「食べて食べられて、それでも穏やか」という言葉にレゴシは混乱し、理解できないと強く言います。
サグワンは信仰とはそういうものだから否定しないでほしい、もっと話をしようとレゴシをお茶に誘います。
異文化を理解したいと思いつつも、部屋では裸で過ごすサグワンに面食らうレゴシ。
しかし サグワンの持つ、海の大きさと浮遊感を思わせる雰囲気を好ましく思うのでした。
ビースターズ第110話「俺はビールの味を知らない」
セブンとレゴシは靴屋で好みを話し合いますが、意見が合いません。
ファッションに無頓着なレゴシは当てにならなかったと思うセブンでしたが、肉食獣は元の足が凶悪だからこそ地味なものを選ぶとレゴシは言います。
異種族と仲良くしたいから、大人だってそうでしょう?というと、セブンは大人はそうでもないと暗い顔をし、そこに意気がった態度の会社同僚が現れます。
セブンが「ラム」と呼ばれていることを不思議に思ったレゴシに対し、同僚は悪ふざけが過ぎたと反省した様子を見せ、帰っていきました。
レゴシが大きい肉食獣というだけで連中を黙らせたこと、自分の努力と我慢で積んだキャリアの脆さに憤るセブンは、アパート屋上でやけ酒をあおります。
謝るレゴシにセブンは「あなたは悪くない」とジュースを差し出し、笑顔を見せます。
そこにサグワンが現れ、肉食・草食・海洋の三種族は仲良く会話を楽しむのでした。
ビースターズ第111話「ビー玉の視界はやがて磨りガラスに」
公園で子供たちがビースターごっこをしている影で、ヤフヤが悪者を追い詰めました。
ウマであるヤフヤの「350°の視界」では犯罪組織を壊滅させることができず、かつてゴーシャが死角を守っていた「360°の視界」時代に思いを馳せます。
何十年経っても消えない憎しみと執着に息苦しさを感じるヤフヤはある日、チンピラからゴーシャの情報を得、「うろこのおじさん」と呼ばれるゴーシャの元を訪れました。
ビースターズ第112話「浴びて 解毒のミスト」
いきなり現れたヤフヤに言葉を失ったゴーシャは、あまりの嬉しさに口の中の毒管が開いたと大量の毒を吹き出しました。
蹴りを繰り出すヤフヤに対し、ゴーシャは拳を掴み、消毒液を吹きかけます。
「ちちんぷいぷい」と拳を拭き上げられ、ヤフヤは家庭の感じを出すなと憤りながらも毒気を抜かれてしまいました。
立ち回りの噂を聞いた、また共闘する気になったのかと聞くと、ゴーシャはもう家族を守る以外に戦うことはしないと返します。
孫のことを詳しく聞いたヤフヤは、大晦日の事件の食肉前科獣はゴーシャの孫だと確信し、強いのか?と問うのでした。
ビースターズ第112話「純度を知るわがままボディ」
コーポ伏獣に警官がやってきました。
骨肉麻薬の事件が増加しているので警戒しているそうです。
骨肉麻薬は草食獣の血液や骨の粉末を調合したもので、エナジードリンクに混ぜたものが若者の間で蔓延しています。
レゴシを心配するセブンと管理人でしたが、レゴシはちょうど売人に声を掛けられているところでした。
匂いを嗅いだレゴシはすぐにニュースで見た違法麻薬と気づき、「俺もこれっぽっちの麻薬に目が眩む頃に戻りたい」と冷めた目になりつつも売人たちを襲う構えをとります。
アパートでは警官が増員され、セブンが青い顔をしてレゴシを待っているのでした。
ビースターズ第112話「友よ 舌根からひれ伏してもよいか」
刃物を持って襲い掛かってくる売人と戦うレゴシの下に、警官たちが駆けつけます。
いつの間にか意識を失っていたレゴシは警察のベッドで目を覚ましました。
お手柄だと褒める警察官は、ニュースを見た友達が来ているとルイを部屋に通します。
固まるレゴシにルイは見舞いの品のカステラ・ゼリー・俺のうち、どれを食う?とブラックジョークをかましました。
ルイを見ているうちに「自分は草食獣好きの変態オオカミ」だと自覚したレゴシに、皆知っていると返すルイは、「性癖ひっくるめて全部お前」「救えるものがあるなら正義」と諭します。
強くあれ!というルイにあなたたちの笑顔を守りたい、と改めて思うレゴシでした。
ビースターズ第113話「月面にただ一軒のアパートあり」
「純然たる草食フェチ」を自覚し、草食獣に触れても禁断症状が起きなったレゴシ。
アパートへ戻ると大きい荷物が届いていました。中は警察から届いた大量のお餅です。
腹持ちよく、牙が喜ぶお餅は肉食獣にとって嗜好品のようなものなので、レゴシはお裾分けがてらアパートの皆さんと餅パーティを開くことにしました。
当日集まった面々はスナネズミとヒモのオオワシや、アルビノのカラス、グラビアモデルの柴犬や、ウサギの振りをしている小説家のツキノワグマ、剥製師のブタ等、個性的だけど面白い人ばかりでした。
「一生懸命生きていれば自分の居場所は自然と見つかる」と思うレゴシ。
残りの餅を確認していると、段ボールの底にヤフヤからの手紙を見つけるのでした。
ビースターズ13巻 サグワンの死生観は仏教的?
ご近所さんとの交流が深まってきました。
「裏市に近い安アパート」というヤバ目な立地にしては、気が良い人が多かったですね。
サグワンの死生観は仏教的?というか「個にして全、全にして個」のナウシカ・王蟲っぽいですが、そういうジャンルがあるのでしょうか?
また、「草食フェチ」を自覚して悩みが晴れたレゴシ。
鬱々と悩んでいたことがシンプルな一言で解消されることってありますよね。
レゴシもブラックジョークをとばすルイも、ここに来て一気に大人になった感があります。
代わって、ビースター・ヤフヤのモヤモヤは止まりません。
あれはただの「僕の友達がとられた!」状態だと思うのですが、プライドの高い本人は気付かないのでしょうね…
社会人編に入ってスケールが広がったビースターズ13巻!
次巻はどうなる?!
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