さて、前回「ビースターズ」10巻で食殺事件の犯人「リズ」と対決したレゴシ。
改めて、大晦日に決着をつけることになります。
立ち合いはできないと言っていたルイでしたが、シシ組と決別し、レゴシの元へ駆けつけました。
お互いの思いをぶちまけながら闘う2匹。クマ科のリズはやはり圧倒的な強さを誇ります。
それに対するレゴシは、レゴシなりの方法で立ち向かいます。
さて、11巻のネタバレ、まとめていきましょう!
ビースターズ第89話「まな板の汚れ 夢のあと」
寮の友達にカレーを振舞うリズ。みんなは口々に美味しいといいます。
リズはテムを食べた日から味覚を失っていました。
テムの味を忘れないためにも味覚なんていらないと考えています。
しかし、レゴシに追い詰められていく内に徐々に味を感じるようになり、決闘に向けて身体が準備を始めていることを実感します。
「この世で最も獰猛な友情を築く」ため、ストックしておいた抑制剤を全て燃やしてしまいました。
ここ最近身体が大きくなったリズを不審に思うルームメイト。
リズは意に介さず、うっかり割ってしまった玉子を舐めて美味しいと呟くのでした。
ビースターズ第90話「この魂に ゆく年くる年」
大晦日に外出するのは久しぶりだというレゴシ。
ここ数年は寮でレゴシが1匹ぼっちにならないように、ジャックが一緒に年越ししてくれていたのでした。
今夜自分が死んだら、ジャック・ハル・ルームメイト・演劇部員・ルイみんなが悲しむかなと考えるレゴシは、この1年で好きな人がたくさんできたと実感します。
1時間前、ゴウヒンは頭の包帯は外しておけとアドバイスをしました。
顔の模様の変化は人生の転機を表しているといいます。
「お前は思考して強くなった唯一無二の肉食獣だ、死ぬなよ」とエールを送るゴウヒン。
ゴウヒンと別れ、レゴシは橋の上で戦って死ぬ覚悟と生きる覚悟について考えます。
ハルの声が聞きたいと思っているところにちょうど電話が入り、年越しの挨拶をします。
生きて年を越すことが出来たら祖父に会いに行き、祖父母の馴れ初めや、ウサギに恋をしていて今以上に家系図をめちゃくちゃにする可能性があることなど、たくさん話そうと決意します。
約束の場所に着いたレゴシに、リズはゴングに気付くよう言います。
ゴング?と不思議に思うレゴシに、リズは「ドールビッグホーン1体はお腹にたまった、さぁ始めようか」と獣性を露わにした顔で告げました。
場面は変わり、シシ組の面々。
オオカミとの抗争に備えて、シシ組のフリーはマタタビをキメています。
よりによってのオオカミとの抗争に、「全員レゴシに見えて集中できねえ」とげんなりするルイでした。
ビースターズ第91話「守護神の遠吠えが」
君がボケーっとしている間にピナが犠牲になったというリズ。
レゴシは慌てず、ピナの匂いを探ります。
2km先のごみ捨て場に拘束されて捨て置かれているピナは、一生肉食獣とは関わらねえ!!と決意を固めました。
「騙したくてピナの血を付けてきたんだろうが、俺の嗅覚は草食獣のためとあらば感度は100倍」と構えるレゴシと、「勝て!」と祈るピナ。
いよいよ決闘が始まりました。
「僕ら肉食獣の強さは、結局孤独と引き換えだ」と考えるリズは、レゴシの腹を噛んだ状態で”幸せだ”と言います。
「リズの孤独と俺のエゴ、食わせるな俺のエゴ!!」とレゴシは雄叫びを上げました。
場面は変わり、抗争後のシシ組。オオカミのチンピラは瞬殺したとフリーは言います。
テンションが高いフリーに対し、ルイに頭を下げるイブキ。
ボスの顔に傷がついたのは自分のせいだと謝りますが、ルイは「気持ちわりー、次言ったら撃つ」と返します。
車の中で感傷的になるイブキを見て「俺は肉食獣が好きだ」と実感したルイは、「たった今からシシ組を抜ける」「今すぐ会いに行かなきゃいけない奴がいる」と宣言しました。
ビースターズ第92話「君は百獣のプリンス」
回想から始まります。
お互いの目の前でサラダとステーキを食べられるようになったルイとイブキ。
ルイは我慢するな、友好関係を保ちたいなら嘘はなしだと言いました。
現在に戻ります。
大切な奴を助けるためにシシ組を抜けるというルイに、イブキはそいつはシシ組よりも大切なのかと問います。
「比べられないが、あいつの覚悟に立ち向かうならシシ組のボスのままでは行けない」と言うルイに、気まぐれに友達を助けてから舞い戻ってくるのは許されないと凄むイブキ。
迫力満点のイブキに、ルイはこれまで気を遣って身を屈めてくれていたことへの感謝、イブキは気を遣いすぎるからこれからも気苦労が絶えないだろうけど…と別れの言葉を告げようとしますが、話を逸らしたいイブキはドライブに誘い出します。
イブキは慎重に説得しながら、前のボスについて思い出していました。
シシ組として百獣の王を演じ続けろというボスの言葉を受け、長いこと虚勢を張り続けた結果、虚勢が肥大化し続けて黒くて巨大な塊になり果てたというイブキ。
ルイと過ごすようになってからは”百獣の王”の言葉に虚しさを感じるようになり、ストレスもあったが人生の中で一番幸せだったと言います。
しかし自分にはもう日の当たる生き方はできないと真っ暗なトンネルの中で車を停め、自分を殺すか食われるかを選べと迫ります。
選べないというルイに齧り付こうとした瞬間、イブキは背後から銃で撃たれます。
バイクで追ってきたフリーがイブキを撃ったのでした。
「シシ組の宿命は辛いなあ」というフリーは、ようやくボスを守ることができたのでした。
ビースターズ第93話「シャツに付いた金の毛をポケットに入れて」
もう動かないイブキに、死ぬなと揺すり続けるルイ。
フリーは、生前のイブキから自分がボスを食べそうになったら銃で撃ってくれと頼んでいたのでした。
表通り近くまでルイを送ってきたフリーは、ルイに二度と裏市に戻ってくるなと言います。
次に見かけた時は食い殺すというフリーに、ルイは力強く約束します。
場面は変わって、リズとレゴシの決闘。
あまりの頑丈さに、君も食肉を犯したのかと問うリズに対し、お前には到底理解できないと答えるレゴシ。
レゴシは、虫を食べたときに生物と尊敬をし合って初めて血肉になる、と渾身の一発を叩き込みます。
リズは鼻を潰されながらもレゴシの両腕を捻り上げ、地面に叩きつけます。
ぐしゃっと言う不穏な音に怯えつつも、ルイはレゴシの元へ走っていきました。
ビースターズ第94話「ビースツ スクール☆ウォーズ」
死ぬ間際の生物は液体みたいにとろとろになる、と言いながらレゴシを叩きつけるリズ。
テムを食べた時に友情なんてなかったと、本当は気付いていると告白します。
レゴシはその言葉をうけ、横になって「その話もっと聞かせて?」と言います。
通常 肉食獣は、家族や恋人同士でないと腹を見せることはしません。
小休止がしたいレゴシと、乗ってあげるリズ。
食殺した日 テムに言われた「肉食獣なんて怪物だ」という言葉は本質をついていると言います。
レゴシが闘いの中で言った「俺と青春を楽しめ」も、たしかに今がそうだ、とも。
でももう信念は曲げられない、そろそろ再開しようと、レゴシの腕を付かんで立たせようとするリズに、レゴシは俺たちの爪や牙は大切なものを守るためにあると言います。
リズの背後に立つルイを見て「身が引き締まりますよ」というレゴシに、?マークを浮かべるリズ。
レゴシは上着をリズに投げつけ、隙をついてルイと逃げました。
遅れてすまないと謝るルイに、今日はよく笑った、最期にこんな大晦日を過ごせるなんてとにやけるレゴシでした。
ビースターズ第95話「18倍濃縮の雫」
ルイともリズとも話せた、あとは決着をつけるだけだとリズの元へ戻ろうとするレゴシ。
ルイはボロボロで既に立てないじゃないかと反対します。
ルイのおかげで怪物にならずにすんだというレゴシに、ルイは泣きながらさっさと行っちまえと言います。
自分が弱かったから、強くなって生き残るために罪を重ね、仕舞にはイブキを犠牲にしてしまったと悔いるルイ。
過去との決別するため、数字の入れ墨が入った足を食べろと差し出します。
戦う力をつけるんだというルイに、決して無駄にはしないと誓うレゴシ。
一人石けりをするリズはレゴシの足音を認めます。
振り返った後 驚愕の表情を浮かべるリズの目に映ったのは、口から血を滴らせる、パワーアップしたレゴシの姿でした。
ビースターズ第96話「 契りは朱肉で交わされる」
着実に”無害なオオカミ”への道を進んでいたレゴシにとって、食べろと言うルイの言葉は死よりも残酷なことでした。
逡巡の末、頼まれたから食べたのではなく食べたいから食べる、無駄にはしないと覚悟を決めました。
獣性を露わにするリズは、みんな肉への欲望にひれ伏す怪物だと 天国のルイも言っていると興奮を抑えきれない様子です。
ルイは生きていると飛びかかるレゴシと、「行け!」と声援を送るルイ。
強烈な一撃を叩き込むレゴシは、テムに対し何を思う?とリズに問います。
リズは瞬間 いつもの顔に戻り「親友になりたかっただけ」と言いますが、君とルイ先輩より思いは強いと、再び獣の顔で飛びかかります。
草食獣への思いをぶつけながら闘う2匹でしたが、「俺は生きてるぞバカ犬」というルイの言葉に打たれるリズ。
レゴシの一撃を腹に食らったリズは、生きている間にテムに「ありがとう」と伝えるべきだったと気づくのでした。
ビースターズ第97話「僕ら馳走にあずかった」
手首を縛る紐をツノで千切ったピナ。決闘の場に向かって駆け出します。
意識を失っていたリズに起こしたレゴシは、年が明けたぞと伝えます。
毒気を抜かれたリズは、負けと、過ちを認めました。
ルイがかける言葉が見つからないでいると、多数の警官がやってきました。
拘束されているリズにルイは「お前の孤独に気付かずすまなかった」と言います。
また、ルイを肩に担いでいるレゴシに警官たちは銃を向けます。
「人生最初で最後の食肉があなたで良かった」というレゴシに、ルイは「顔を拭いて笑わないと凶悪犯にしか見えない」と渋い顔で諭します。
レゴシの満面の笑顔を見たルイは、呪いは解かれたとほほ笑みました。
多量の出血でふらつくルイ。
「次に会うのは学校だ」と声をかけられたレゴシは、静かに頷くのでした。
ビースターズ11巻のまとめと感想
とうとう食殺事件の決着がつきました!
リズにはまともに当たってはとても勝てない状況で、ルイの足を食べてパワーアップする展開には驚きました。
「草食獣を食べた」という点では同じリズとレゴシでしたが、信頼関係は全く違う、というか足を食べられてもいいと思えるほどの関係はそうありませんよね。
「肉食獣と草食獣の関係の究極」だと思います。
ただ、日常に戻ったあと、ルイの足を食べたレゴシはハルや演劇部員たちと普通に過ごすことが難しくなるのではないでしょうか?
逮捕や隔離されてもおかしくないのでは?
次巻はどうなる?!
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