さて、前回「ビースターズ」8巻では、犯人に立ち向かうための新しい力を手に入れたレゴシ。
とうとう食殺事件の犯人が判明しました!犯人はリズのようですが本当なのでしょうか?
事件の真相も明らかになり、また、レゴシはこの相手にどうやって勝つのだろうと心配になります。
まともに当たってはとても敵わない相手に、レゴシは味方を欲します。
逡巡しているうちに、学校の状況もどんどん変化していきます。
レゴシは犯人にどう対処するのか、また、学園はどうなっていくのでしょうか?
さて、9巻のネタバレ、まとめていきましょう!
ビースターズ第71話「僕らの日々の中の1日」
年明け公演に向けて準備中の演劇部。
準備運動をしていたアリクイのキビとクロヒョウのタオ。
タオがストレッチで腕を引っ張った拍子に、キビの腕がもげてしまいました。
パニックになる演劇部。ビルや他の部員が落ち着けといなします。
一刻も早く保健室に連れていく必要がありますが、キビは錯乱していて肉食獣が近寄ることを許しません。
レゴシなら信用できると言うキビを抱えて走るレゴシと、もげた腕を持って着いて行くヒグマのリズ。
一旦外へ出た肉食獣たちは、なかなか動揺を抑えることができません。
だが、それが普通だとビルは言います。
むしろやけに冷静だったレゴシとリズの方が不自然だと。
場面は変わり、保健室にキビを引き渡した2匹。
人心地着く間もなく「あの日テムを食ったのお前だよね」とリズに向かって言うレゴシでした。
ビースターズ第72話「白炎にヤケドするぜ」
挑発するような態度で「もうここで誤魔化す必要はないでしょ」とレゴシと、「やっぱりあのディープキスが決め手になって分かったんだろ?」と返すリズ。
レゴシは犯人の唾液の情報を元に、演劇部員の飲み残しから犯人を解析していたのでした。
リズのロッカーには捻じ切ったペットボトルがあり、”これ以上詮索するなら殺す”というメッセージを感じていました。
「見過ごしてくれないのなら口止めしないと」と爪を立てて威嚇するリズと、一触即発の雰囲気が漂います。
不穏な空気をものともせず、二人の間をピナが通ります。
キビの荷物を持ってきたとのこと。
任務遂行、天井を壊したことは黙っておくと言いながら立ち去ろうとするピナを、レゴシが引き止めます。
口止めするレゴシ、始末するしかないというリズ、2匹も食殺されたら警察が本腰を入れた捜査をする とマイペースを崩さないピナ。
「誰かにチクったりしない、お互い面倒な状況だが今日は正義の勝ち」
「安眠できない夜を過ごしてろよ」と捨て台詞を吐いて立ち去るのでした。
屋上に移動した2匹。
「これから君の身は俺が守るよ」と新たな誓いを立てたレゴシに、まず連絡先でも交換しとく?と、最後まで軽いノリのピナでした。
ビースターズ第73話「毛並みのよい”オオカミ”」
5年前の、レゴシの母親の葬式の場面から始まります。
レゴシの母親の姿を遺影写真で初めて見たジャック。
傍にいてあげようとレゴシの姿を探します。
そんなジャックに、レゴシは1匹では抱えていられない秘密を打ち明けるのでした。
場面は変わって現在。
ゴウヒンはバイト代として、輪ゴムでとめた札束を4つレゴシに渡します。
非合法丸出しの大金は受け取れないと拒否するレゴシでしたが、不意に家族環境を聞かれて固まってしまいます。
レゴシのセンスある戦い方は遺伝か?と思って聞いたゴウヒンでしたが、地雷を踏んでしまったと話しを逸らします。
12歳のときに母は他界、父は逃亡。祖父と2匹きりで過ごしてきたと語るレゴシ。
お金を収め、また明日よろしくお願いしますとフェードアウトしました。
再び場面が変わって学校。
ジャックとレゴシは台本を手に、レゴシの祖父へ5年ぶりの電話を掛けました。
名乗る前からレゴシだと分かった祖父に、バイトで貯めたお金を送りたいというレゴシ。
電話を終え、俺はずっとじいちゃんに電話したかったんだと言います。
違う生き物同士だからこそ仲良くしなくちゃと言うレゴシに、「純潔のオオカミじゃないからこそお前の優しさは特別」また顔を見て話せる日が来るさ、と笑顔で話すジャックでした。
ビースターズ第74話「君はぼっちのナイト」
連絡先を交換するレゴシとピナ。
レゴシは、朝晩のメールと匂いを覚えるためのボールペン供出を強要します。
自分の頭の中にある17年分のデータが入った「匂い保管庫」は、守りたい動物のデータが次々増えていきます。
一番引き出しやすい段にはルイの匂いが入っていますが、この記憶はまだ鮮明なのかと呆けているところ、ゴウヒンに仕事中は自分の世界に入るな!と怒られてしまいます。
仕事にも大分慣れた様子のレゴシに安心したゴウヒンは別行動をとります。
ゴウヒン直伝「種族別攻略のメソッド」により無事仕事を終えたレゴシは、ヒグマに勝つにはまだまだ足りない!とゴウヒンの病院に戻ってからも修行を続けます。
諫めるゴウヒンに、犯人がヒグマだったことへの焦りをぶつけようとしたレゴシでしたが、パンダもクマ科だったと構えます。
プレッシャーで潰れる前に味方を作れと諭すゴウヒン。
外で頭を冷やし、今どこにいるのかも分からない精神的な味方に思いを馳せているところ、シシ組の仕事中のルイに出くわします。
スパイと勘違いされたレゴシに「何も喋らなくていい」「俺に任せろ」と、シシ組・レゴシ双方に言い聞かすルイでした。
ビースターズ第75話「君の振り子時計で巻き戻して」
ルイに口元を抑えつけられているレゴシ。
タバコとライオンの匂いで薄まっているものの、学園で認識していたルイの匂いに間違いないと確信します。
レゴシはスパイだと思っているシシ組に弁解するレゴシでしたが、ルイに会えた嬉しさで揺れるしっぽが抑えられません。
嬉しがる状況でないのにしっぽを振っている、ボスにガンをとばしていると怪しさ満点のレゴシをシシ組はリンチにします。
一方ルイは、学校では正義面していたのに裏市では肉を買っていたレゴシは嘘つきで、自分が世界で一番嫌いな部類だと心の内で断じ、シシ組幹部の宴に参加するよう言います。
夜の仕事をしている27歳のハルオ、さっきはあまりの状況に体が興奮してしっぽが止まらなかったと嘘をつくレゴシと、ドMホストの称号をつけるシシ組。
好きなだけ肉を食えと歓待するシシ組を前に、大ギツネなので油揚げしか食べられないとレゴシは返します。
ルイは共食い上等だよとステーキを大きく頬張り、「これが今の俺の処世術だ」と心の内で呟くのでした。
食事の場を抜け出した二人。前のように俺を殴れというルイを抱きしめるレゴシ。
「生きていて本当に良かった」というレゴシの身体から肉の匂いは感じられず、学園で使われているボディーソープの匂いを思い出すルイでした。
ビースターズ第76話「ないものねだり狂想曲」
しっぽをぶんぶん振りながら抱き着くレゴシから離れたがるルイ。
レゴシの無垢に馬鹿力で制圧してくるところに、イラつきと無力感を覚えるのでした。
シシ組に入ったのは俺のせいだというレゴシに、自分で道を選択したと怒鳴りつけるルイ。
ハルのこと、修行のことを話す中、自分と逃げてほしいというレゴシ。
「俺たちシシ組にも絆が生まれている」というルイに気を引かれ、いつの間にかシシ組の面々に銃を突きつけられていました。
「俺はとっくに染まっている」というルイでしたが、話すうちに「ヒーローになれ」と青臭い本音が漏れてしまいます。
ボスの青臭い発言に面食らったシシ組の隙をついて、レゴシは脱出に成功しました。
逃げる寸前、食殺事件の犯人が分かったこと、今の学園にはルイが必要だということを告げ、薄く涙を浮かべながら走るレゴシでした。
ビースターズ第77話「ハニーハントの純情」
洗面所でクマ仲間と話すリズ。
政府から服用を義務付けられている、筋肉を委縮させる薬について愚痴っています。
頭痛・気だるさ・気分の落ち込みといった副作用にリズは悩んでいました。
薬の存在は世間にあまり知られておらず、表向きは大人しいクマを装えていたリズでしたが、8カ月前のある日、テムに「リズってなんか怖いよね」と言われてしまいます。
君の表情が気になるんだ、心細いのか?と問うテムにリズは薬の悩みを打ち明けます。
見たままを言うテムの態度に救われたリズの心は軽くなり、薬の服用も止めてしまいます。
本当の自分のまま、テムとの距離を近くしたいと思ってのことでした。
断薬したリズと会ったテムは、身体が膨らんでいるリズに恐怖を感じ、逃げようとします。
引き留めたリズは、テムの腕に爪を立てて傷つけてしまいました。
自分たちは分かり合えるはずだろうというリズに向かって、「肉食獣なんてみんな怪物だ」というテム。
「だからもう隠さなくていい、僕らは親友だ」「全てを受け入れる」
とテムが言った妄想から我に返ったリズの手元には、ぐちゃぐちゃになった遺体。
これまでの思い出が幻にならないよう、食感・色・味全てを死ぬまで忘れないと誓うリズでした。
ビースターズ第78話「無農薬の果樹園」
突然3日間の休校になった学校。
肉食獣と草食獣でクラス分けをし、完全別学になるという知らせがありました。
伴って種族合同の部活動は活動休止になります。
演劇部も対象で動揺するも、陽キャラの自分が暗くなってはいけないと強がるビル。
声を掛けてきたエルスにも、身の安全が確保できて良かったなと返します。
怒りで顔を染めたエルスは、「弱虫」「裏市で肉を食べたり、あんたのやんちゃなんでバレバレだ」と怒鳴りつけます。
それでも楽しくやってこれた、良い所も悪い所も全部見えるのが部活動だ、と言って倒れこんでしまいました。
周りの生徒の感動を集めた2匹は稽古場に向かいます。
稽古場には既に全員が揃っていて、多数決は存続派に意見に票が集まっていました。
演劇部の他でも学校の決定に反対する意見が多く、広報部も新聞記事を打ちます。
学園の空気が変わってきているのを感じるレゴシでした。
ビースターズ第79話「ランジェリーの密会」
死神アドラー役に選ばれたジュノ。
今までの雄々しいアドラーをメスが演じることで、反骨精神を主張するそうです。
学園の空気は、共学でいるべき論に変わってきたとはしゃぐ部員。
本心は別学派であるジュノは動揺を隠すも、ハルの姿を見て心は千々に乱れます。
こっそり跡をつけるジュノに気づいたハルは、園芸部の仕事を手伝うよう頼みます。
仕事終わりにアンパンを半分こする二人。
ジュノは、別学であってほしいと思う理由は、草食獣のかわいさに肉食獣は敵わないからだと気づきます。
ルイ・レゴシみたいにハルに運命を狂わされる前に、園芸部をあとにするジュノでした。
ビースターズ9巻のまとめと感想
食殺事件の真相に大きく迫った今巻。
リズの不遇な状況とピントの外れた態度には、複雑な思いを禁じえませんでした。
かわいそうではあるものの、自分本位が過ぎるのはよろしくないですよね。
また、肉食・草食別学騒動では、当たり前なんだけど、レゴシ以外のキャラも色々考えているんだなーと感じました。
大人たちの対症方法じみた対応に腹が立つ、という気持ちは身に覚えがある方も多いのではないのでしょうか。
レゴシが自分よりはるかに強いリズと戦うには、家族や精神的な味方であるルイの力が必要になりそうです。
「まともに当たっては敵わない敵」という点では、ジュノとの共通していますね。
皆にとっての正解に辿り着けるのでしょうか?
解決まで突き進んでいくビースターズ10巻!
次巻はどうなる?
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