さあさあさあ!
始まりました、空挺ドラゴンズ4巻!
龍の回廊に遭遇し、無事に船に帰れた龍捕り(オロチトリ)のタキタ。
そんな中、突然現れた豪華船。
新しく登場する人物もいれば、気持ちの変化を覚えるクィン・ザザ号の仲間たち。
彼らはこれからどんな飯……いや、どんな冒険にでるのでしょうか!
ガガの絵にみんなが驚き、ブルノが素直にほめるって意外といいヤツかも?
ミカの空腹は満たされるのか!?
食欲の暴走を感じてても、あなたは最後まで読めますか!?
空挺ドラゴンズ18話「豪華船と賄いチーズバーガー」
クィン・ザザ号は、唐突に雲の中から現れた豪華船とぶつかりそうになるが、なんとか衝突を避ける。
しかしクィン・ザザ号の舵まわりがわずかにぶつかり、走行ができなくなった。
「なんでもいい! どうにかしろ!」
船長代理のクロッコが乱暴に叫ぶも、なすすべはない。
ミカたちは、捕獲した龍(オロチ)の解体、搾油作業に入っていた。
いつも通りの作業に没頭して、ひたすら汗を流す。
中でもタキタは、疲労から熱を出し、船室で寝ていた。
が、入ってきた、ヴァ二―(ヴァナベル)の足音で目が覚める。
「何か欲しい物はある?」
「……甘いもの。ただいま」
「おかえりなさい」
表では、ミカがくず肉を使ったチーズバーガーを頬張っていた。
香ばしい、バンズ。とろけるチーズ。はふはふとミカは食べる。
みんなに急かされても丁寧に料理する、コックのヨシ。
そこへやってきたヴァニー。
「ヨシ、少しいいかしら」
タキタの要望を話す、ヴァニー。
そこへ、燃料を給油し終えたオートジャイロに、ジローが乗ることになった。
「私もいいかしら」
二人はオートジャイロに乗って、空を飛ぶ。
すると、その途中で、先ほどクィン・ザザ号にぶつかった豪華船と遭遇。
「あの船の上にギリギリまで寄せて」
ジローは言われた通りに近づくが、ヴァニーは単独でオートジャイロから豪華船に飛び移る。
「甲板長! 空賊の襲撃です!!」
慌てる船員に、冷静に発言する。
「空賊じゃないわ。龍捕り(オロチトリ)よ」
「美しい……雲の中待ち続けた甲斐があった」
男は写真乾板(プレート)を見ている。
甲板長と、その甲板長の後ろを歩くヴァニー。
「ブルノ様、空から侵入者が」
「どうでもいい、君に任せる」
ヴァニーは男の服をつかみ、地面に叩きつける。
「この船で大きな市まで曳航してちょうだい」
「……甲板から外に放り出せ!!」
男こと船長のブルノは、憤怒の形相で叫んだ。
空挺ドラゴンズ19話「オボロカスカ号とブルノ・マッシンガ」
「ボウスン(甲板長)聞こえなかったか? さっさと船から放り出せ」
船長ブルノとヴァニーが睨みあう。
ヴァニーが部屋を追い出される寸前で、ブルノは呼び止めた。
「龍捕り(オロチトリ)……この龍(オロチ)を見たか!?」
「……見たわ」
「高度は!? 海抜ってこと! 低層圏に降りてきたんだな!?」
すると、ヴァニーは鎌をかけるかのように呟く。
「龍の回廊」
ブルノの目が好奇心丸出しになる。
「あら、興味あるかしら」
「続けたまえ」
「私たちの船を大きな市まで曳航しなさい。話の続きはそれからよ」
「イヤだ。話が先だ」
そっぽ向く、ヴァニー。
ブルノは思い通りにならず、肩をふるわせる。
一方、経理係のリーは頭を悩ませ、ようやく答えを出した。
解体や搾油が終わったミカたちは野原で適当に寝ている。
そこへ、ギブスとリーがやってくる。
「お前ら! 起きて集まれ!」
「お話があります。金がないと飛べません」
「つまり……このままだと最悪の場合……俺たちは廃業する」
それを聞いて、誰もが身動きを取れずにいる。
困惑するミカが言った。
「もう……龍が食えないってこと?」
船長ブルノの部屋に通された、ヴァニ―。
部屋中至る所に、龍の骨やら漬物やら、壁には龍の写真が所狭しとかけてある。
ヴァニーは一つに目を止めた。
ブルノは説明する。
「鳳紅ケツァルコアトル。生ける伝説の龍の想像図だ。本物はもっと美しい。ぼくは龍に心奪われた男だ」
気障なことを笑顔で言う、ブルノだった。
クィン・ザザ号では。
蛙のような生き物の形をした貯金箱を、リーに手渡すミカ。
「ミカさんこれは?」
「いいんだ、足しにしてくれ。へそくり」
空挺ドラゴンズ20話「修理代と龍の絵」
対面する、被害組と加害組。
「オボロカスカ号船長ブルノ。貴船を曳航する」
「クィン・ザザ号船長代理クロッコだ」
「君たち……風呂に入ることを勧めるよ」
オボロカスカ号に戻ろうとするブルノが、うんざりした顔で言う。
ブルノを呼び止める、ヴァニー。
先に、体験者のタキタを紹介するのだ。
クィン・ザザ号を曳航してもらうための作業をしていると、乗組員たちの、将来を心配する声が聞こえる。
「ギブスはいいさ、12の頃から船に乗り組んだベテランだ。すぐ他の船から引く手があるだろ」
嫉妬とも取れる仲間の発言に対して、ギブスは、
「俺はお前らと一連托生のつもりだぜ!」
「……あんまり嬉しくもねえなあ」
仲間の本音にショックなギブス。
「ミカはどうした?」
ニコがミカを探すと、ミカは尋腸(じんちょう)と呼ばれる肉の塊に腕を突っ込んでいた。
「龍涎香(りゅうぜんこう)を探してるんだよ。龍涎香は高く売れるだろ。船を直す足しにするんだ」
思わず感心する、ニコだった。
タキタから子供の龍の話を聞いていたブルノは、
「羨ましい……」
と溜息をつく。
ふと、ブルノはタキタに子供の龍の絵を描かせ、失望した。
「君は……顔も間抜けなら描く絵も間抜けだな」
「ヴァニーさん、この人失礼!」」
「知ってる」
今度はタキタが名案を思い付いた。
「ヴァニーさん、ガガさんを呼んでもらえませんか?」
ガガを呼び、タキタからの情報を元に絵を描いてもらう。
それはまるで、本物を紙に貼りつけたかのような出来栄え。
「どこかで絵を……?」
「が、我流です」
「今までに描き溜めたものがあるだろう!? 今すぐ見せてくれ!」
ガガは急遽、自分の寝床から描き貯めた龍の絵を持ってきた。
「美しい……龍の息遣いまで伝わるようだ……いくらだ」
きょとんとするガガ。
「君の絵全てを言い値で買おう! ここまで肉薄して描かれた龍の姿はそうはない!」
「ほ、欲しければ、絵は全部あげます。か、代わりに、この船を……クィン・ザザを直してください!!」
ブルノはそれを承諾する。
止めに入るタキタだが、ガガは褒められたことが嬉しそうだった。
空挺ドラゴンズ21話「パナコッタと討伐指定状」
後日、クィン・ザザ号がすっぽりと入るほどの、大きな造船工場に到着。
クィン・ザザ号の本格的な修理が始まった。
そこでタキタは、龍が人を襲うという話を聞く。
そして、討伐指定状という存在も――――
ガガは悩んでいた。
クィン・ザザ号に残るべきか、オボロカスカ号に乗船するべきか。
そこで事態を理解したミカが言い切った。
「クィン・ザザのが良いに決まってんじゃねーか。新鮮な龍肉をいつでも食えるのは捕龍船(ほりゅうせん)だけだ」
するとそこに、別の船が曳航されてきた。
ひどくボロボロのその船を見て、またもやミカが言う。
「龍にやられたんだ、たぶん。嵐じゃああいう壊れ方はしない。〝船喰い〟か」
タキタが龍の手配書である討伐指定状を持ってくる。
討伐指定状に明記されている、龍の賞金額は、
「い、一億う!?」
ブルノが言うには、この討伐指定状を出したのは自分の父親だという。
そして、愛する龍が異常行動を起こしているのなら、原因を突き止めたいと言い出す。
「私も行くわ。いざという時は、私が龍を捕る」
賛同したのは、ヴァニーだった。
その意見に乗っかる、クィン・ザザ号の乗組員たち。
今のクィン・ザザ号は動けないので、オボロカスカ号に武器を乗せ始める。
「何故彼に協力したのですか? お金目当て?」
そこへ、ブルノにつき従っている少女が、武器の調整をしているヴァニーに問う。
「彼……ブルノが見ているものに興味があるだけ」
そして、オボロカスカ号は飛び立った。
空挺ドラゴンズ22話「船喰い」
いつもの雰囲気とは違う、オボロカスカ号。
討伐指定状で指名手配されている龍を警戒してだ。
すると、高いところに上ったミカが呟く。
「風が匂う。龍が近い」
するとその時、近くの雲から一匹の龍が現れる。
ブルノはそれを見て、「美しい」と言い、ミカはそれを見て、「うまそう」と口からこぼす。
オボロカスカ号を襲い始める、船喰いの龍。
激しい、食うか食われるかの戦いが始まる!
そしてその最中で、ヴァニーが船喰いの龍に丸のみにされた!
オボロカスカ号の内部に入り込んだ、船喰いの龍。
回り込んで、ミカも内部に入り、龍と対峙。
「ヴァナベルを返してもらうぞ」
空挺ドラゴンズ23話「食べられたヴァニーと龍涎香のランプ」
オボロカスカ号の内部に集まる、クィン・ザザ号のメンバーたち。
ギブスが指示を出す。
それに従って仲間も動く。
ブルノはふと、気づいてオボロカスカ号の自分の部屋に戻る。
一つの器から出したのは――――
船喰いの龍は船内で暴れ狂い、仕留めようとするクィン・ザザ号の乗組員たちが躍起になる。
再び、船から飛び立とうとする船喰いの龍は、ぴくんと動きを止める。
船喰いの龍に近づいたのは、龍涎香をランプで焙っている、ブルノだ。
「いい子だ、そのまま……」
その時だ――――翼を大きく広げた船喰いの龍は、突如、輝いた。
誰もがそれを見ている中で、ブルノは、あまりの荘厳さに……涙をこぼした。
そして我に返ったブルノは叫ぶ。
「早く彼女を助けるんだ!」
「ヴァナベル!! 聞こえたら返事しろ!!」
ミカが懸命に声を張る。
「ヴァナベル!!」
その声が聞こえた、船喰いの龍の中にいたヴァナベルは、龍の内部から威力のある銃を発砲した。
そこを目印に、仲間たちが助けようと船喰いの龍の腹を切り刻む。
腹から出てきた、ヴァニー。
「息はあるか!?」
何度も、ミカは叫ぶ。
「ヴァナベル!!」
空挺ドラゴンズ4巻のまとめ
さあさあさあ!
今回もミカはいろいろな龍を解体し、食べましたね。
なんて言ったって、チーズバーガー!
あつあつ、はふはふのチーズバーガーを世界一、美味そうに食べるのはミカでしょう!
龍は、こう言っては寂しいですが、現代にはいません。
しかし、龍がどれだけ美味いのかは、ミカを見れば一目瞭然!
食って、食って、さらに食べるミカ。
お前は太ることがないのか!?
さあ、次回は何を食べるのか!?
そして食べた後の冒険で腹は満たされるのか!?
次巻、どうぞ乞おうご期待!
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