死役所のイシ間は成仏したら天国か地獄か?死刑になった理由とは?

死役所のイシ間は成仏したら天国か地獄か?死刑になった理由とは?

現在、人気沸騰中の話題の漫画「死役所」のネタバレです

今回の登場人物はイシ間。本名、石間徳治(いしま とくじ)の過去に迫ります。

イシ間は死役所の他殺課で働く死役所職員です。

職員ということは「死刑」になっているということですが、イシ間は過去にどのような罪を犯したのでしょうか?

死役所職員もいつかは成仏できるとのことですが、イシ間は成仏したら天国にいくのでしょうか?それとも、過去に死刑になるような罪を犯しているので地獄でしょうか?

天国でも地獄でも成仏することが、目的なのかもしれませんが・・・

 

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イシ間こと石間徳治が犯した罪とは?

 

イシ間こと石間徳治が犯した罪とは「殺人」及び「死体遺棄」です。

イシ間は2名の男性を鍬で殺害し、その遺体を地中に埋め遺棄した疑いで逮捕され、死刑が確定。

その後、執行され死役所で働くことになるのです。

死役所の中では温厚で常識人のイシ間。

そのイシ間が殺人、それも2名の男性を殺害してしまうという凶悪な犯罪を犯すとは想像できません。

そのため、イシ間が殺人を犯すまでに至ったのには理由があったようです。

 

 

イシ間はなぜ殺人を犯したのか?

 

実は、イシ間は娘同然にかわいがっていた姪のミチのために男性2名を殺害してしまったのでした。

というのも・・・

時は、戦後間もないころの話です。

その当時、イシ間は大工として働き、妻はすでに他界していおり、14歳の姪の「ミチ」を引き取り二人暮らしをしていました。

しかし、なぜか養子縁組はしていませんでした。

ミチは近所でもとても美人と言われる娘で気立てもよく、子どもがいないイシ間はミチを本当の娘のように可愛がっていました。

 

そんな折、石間家の畑を荒らす泥棒が現れました。

おそらく10代、ミチと近しい年頃の二人の兄弟でした。

戦後のまだまだ食糧難が続いている時代であり、食うや生きるにも困ってのことだろう。

そんな二人にミチは、畑の芋はまだ育っていなから、せめて大根を持っていって、と二人に持たせて上げることにしました。

ミチの人を思いやるやさしい心づかい。

ところがこの行動がミチにふりかかる悲劇につながってしまうとは・・・

 


一方、イシ間は戦中に叶わなかった上棟式が行われることとなりました。

上棟式の酒宴のためいい気分となり

「自分が結婚する際は、イシ間に家を立ててもらい一緒に住みたい」

というミチの言葉を思い出しながら、上機嫌で家に帰ったイシ間。

 

家の中にミチの姿がない。

 

食事も食べかけのまま。

 

そんなことはないと思っていると畑から気配がする。

 

イシ間が畑まで見にいってみると

 

ミチは、先日、大根を渡した兄弟に強姦されていたのでした。

 

イシ間は、考える間もなくミチの身体を無理やり押さえつけていた弟めがけて思い切り鍬を振り下ろす。

「ギャーーーー」

 

と悲鳴を上げる弟。

イシ間はミチに家に戻るよう言い聞かせ、ミチを兄弟から離します。

 

そして、もがき苦しむ弟の顔面にトドメの鍬を・・・・

弟を殺害し、逃げた兄を追い詰めるイシ間。

 

兄は怖さのあまり腰が抜け転倒。

「ごめんなさい・・・ただの興味本位だっやんです、あの時大根をくれたから・・・」

とあやまり、言い訳を並べますが

 

怒りに震えてるイシ間には届くはずもなく

「ミチをよくもミチをっあんな目にっ…死ねクソガキ死ねクソおおおおおおお」

 

イシ間は躊躇なく兄の股間をめがけ鍬を振り下ろし、さらに全身に何度も鍬を振り下ろしたのでした。

姪のミチを襲った犯人からミチを守るために、犯人の少年らを殺害し、その死体を遺棄したのでした。

 

 

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イシ間が死体を隠した理由とは?

 

イシ間は、死体が見つかることでミチが襲われたことが世間に出ないようにするため、自分が殺害をした少年らの死体を山の中に埋めて死体を隠していたのでした。

 

強姦被害のPTSDでミチは、何度も自殺未遂を図ったり、結婚適齢期が近づいて来ても幸せを諦めてしまっていました。

しかし、イシ間がミチを本当の娘のように愛情を注ぎ、彼女のことを懸命に支えてきたおかげで、ミチは少しずつ回復していっていきました。

そして、ついに嫁ぎ先が見つかりお嫁に行くことになったのです。


ホッとするも、山中から死体が2体発見されてしまいます。

 

取り調べの中でイシ間はミチが襲われたことは口にすることなく、あくまで自分が酒に酔って殺したとの主張を繰り返しました。

 

本来ならば、ミチを助けるためにとった行動ですので、情状酌量の余地があり、もしかしたら死刑になっていなかったかもしれません。

 

しかし、ミチが襲われていたいことを警察に伝えると、やっと癒えたミチの古傷をほじくり返すことになってしまうので、イシ間はミチのために自分の命よりもミチの幸せのために喜んで死刑になったのでした。

 

イシ間が守ったミチとの再会

 

死役所での場面に話は変わります。

ある日、シ村が老婆をイシ間のもとに案内します。

 

笑顔の老婆の正体はあのミチでした。

 

認知症が進んではいるものの、イシ間のことは覚えており最期は家族や沢山の孫たちに囲まれて大往生、ミチは自分の幸せを手に入れたのです。


泣き出してしまうイシ間は「苦しんだもんなぁ。辛かったもんなぁ。よく生きたな」などミチが幸せに天寿を全うしたことを知り、心から喜ぶのでした。

 

人情家イシ間「石間徳治」

 

死刑執行を受けるほどの重大な犯罪を犯した元死刑囚が集まっている死役所。

死刑になるくらいですのでひと癖もふた癖もある人物ばかり。

そんな癖の強い職員のなかで一番人間味あふれるのが他殺課のイシ間こと、石間徳治なのです。

 

以前、イシ間のもとに一人の女の子がやってきて・・・

その女の子は実は母親からの虐待死だったですが、けなげに大好きな母親について無邪気に語る女の子を目の前にイシ間は男泣きをしてしまいます。

もしかしたら、幼いころのミチの姿と重ねあ割ったのかもしれません。

そんな、人情味あふれる男がイシ間こと石間徳治なのです。

 

イシ間が犯罪を犯した気持ちもわかるけど


もし、あなたの家族が犯罪被害に合ってしまったら。

もし、あなたの大切な娘が男二人に魂まで破壊されて生きる気力さえ無くす様な犯罪被害に合ってしまったら。


彼らが犯罪者だからといって殺してよかったのか。

それとも彼らが可愛そうだから、でも大根をあげなければよかったのか、道徳だけでは解釈出来ない問題だと思います。


むしろ、ミチをそんなひどい目にあわせた少年達が絶対的に悪いと思います。

いくらミチが親切で可愛かったからと、お礼を言おうと思ったが興味本位で仕方なかったからと、性犯罪は被害者の生きる気持ちさえ殺してしまう計り知れないほど重い犯罪だと思います。

反省をしようがしまいが、被害にあった女性は行きている限り苦しむ、終わりがないのです。

展開はなんとなく想像していたものの、悲惨な1ページに思わず涙が溢れました。

しかし、倫理、道徳、法律、それでは図りきれないイシ間の思いがある。

自身もイシ間の立場で社会が制裁を加えないのならきっと犯人を私刑にでも何にでもしてやりたい、そう願うはず。

そしておそらく計画の上実行してしまうかもしれない。


被害者も、犯罪者のせいで自分の幸せだった人生が破壊されてしまったときの行き場のない思いは自分の存在を消すこと。

 

身体と心の自殺です。

 

自分なんて価値のない人間で幸せになるなんて分不相応だ、そんな大それたものを手にして言い訳がない。ミチはそう考えたと思います。

犯罪者が刑を全うしようと、なんだろうと法律上この手の犯罪の刑罰は常に軽すぎると考えている人は世界中にいるはず。

犯罪者が出所したことでまた同じ被害にあったらとまた地獄の日々を歩むことになるからです。

人間の欲求の根源が、現代社会に適応出来ていないのが性犯罪だと思っています。

本人、周囲に与える怒りや悲しみはとめどないものでしょう。

だからイシ間のような温厚のな人間でも抑えがきかず怒りの勢いにまかせて、そして残虐極まりないと思われる方法で殺人を犯してしまった。


殺人は犯罪ではあるので、とにかくこの回は気持ちのやるせなさにスッキリしませんが、せめてもの救いが、死後のイシ間とミチが再開できたということ。


少女のままの様なミチが、辛い体験は乗り越えられてないかもしれないけれど、彼女が彼女自身の幸せを手に入れて大往生だったこと。


イシ間の「よく 生きたなぁ・・・」の言葉に全てが集約されており、複雑な気持ちは残しながらも心を震わせずにはいられない回でした。

 

イシ間がいくのは天国?地獄?

 

人情家でやさしいイシ間は成仏したら天国に行きます!

殺人犯のイシ間は成仏したら地獄に落ちます!

どちらが正しいのでしょうか?

 

男気あふれる人情家のイシ間ですが、殺人という犯罪を犯した者の寝はマジメな性格のようで、死役所の仕事でも苦手なパソコンとも向き合い、一生懸命に仕事に取り組む姿勢がありました。

そんな仕事に対する姿勢が評価されたのか、ミチが成仏したためなのかはわかりませんが、イシ間のもとに一枚の紙が届きます。

その紙は「49日以内に成仏をすること」という辞令だったのです。

 

成仏を願って死役所で働いてきましたが、長年働いていると仲間とのきずなも深まり、別れが惜しくなる気持ちもわかります。

かといって、そのままにしておくと「冥途の道」に落ち、永久に真っ暗闇をさまよってしまうことになりかねません。

覚悟を決めたイシ間は、ちょうど死役所に来ていた少年と一緒に笑顔で仲間に見送られながらイシ間は仲間との別れを惜しみながら成仏の扉をくぐっていくのでした。

 

イシ間は成仏をしたわけですが、気になるのがイシ間が天国に行ったのか?

それとも地獄に落ちたのか?

ということです。

 

以前、いじめをしていた少年が成仏の扉の目の前で足元の床が開き地獄に落ちたことがありました。

もしかしたら、地獄行の人は成仏の扉をくぐることなく、扉の前で足元の床が開き、地獄に落ちてしまうといったシステムなのかもしれません。

もし、そうなのならば成仏の扉を無事にくぐったイシ間は天国に行ったのかもしれません。

 

「死役所」の世界では天国に行った人は生まれ変わることができるそうですので、イシ間とミチが今度は本当の親子として生まれ変われるといいですね。

 

イシ間の過去と成仏のまとめ

 

この死役所という作品は本当に引き込まれる題材ばかり。自身もこの文章を打っているうちに死んでいるかもしれないからです。


明日は我が身とか、そういうことではなくて、人間は生まれて必ず死んでいく。寿命を全うして静かに逝くひともいるかも知れない、でも現実を生きている人たちが全員そうかと言ったら違う。

それも分かりきっていることなのに。改めて「死」というものについて考えさせられる内容ばかりです。

死、犯罪被害、事故、自殺、他殺、病死、流産、まだあげられないくらい「死」の形があるんだなと。

また、死者に関わっていく人の気持ち、他人を氏に追いやってしまった人の気持ち、日常を生きていれば、ああ仕事使えたな、とか、あいつ嫌いだなどうにかなっちゃえばいいのにと思ったとしても、自分は常に傍観者で当事者にはならないと考えている平和ボケした私たちの道徳心にものすごく繊細に語り書けてくる作品だと思っています。

言ってしまえば、誰もが嫌悪感を抱く自己中心的すぎる犯罪者、どうして慎ましく暮らしてきた人がこんなことに・・・でもそんな気持ちも受け入れて、新たな道を歩んでいく、市役所で正当な手続きをした人たちも含めて新たな人生がある、という希望も見えたります。そんな構成に感心します。


死後の世界は生者です私達にはとにかくわかりません。

無いかもしれないし、魂という存在もただの自我で肉体とともに自身で自身のことさえ初めから認知していないのかもしれない。

「死役所」と言いながら生きることについて、深く考えさせられる作品です。

 

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